コンクリートは「打つ」もの
今日は施工のはなし
先日、
コンクリート造の建物の出来形検査を行いました。
出来形検査というのは、コンクリートの打設が終了し、その階を支える型枠及び支保工がとれてから仕上工事に入るまえにコンクリートの仕上状態を見るものです。
きちんと施工されていたら、それほど、大変な検査ではなく、耐震スリットがある場合はそれらが所定の位置におさまっているか、目地の位置及び深さは正しいか、コンクリートの仕上がり状況でジャンカやひび割れはなどはないか、ある場合は所定の補修を行っているかなどです。
耐震スリットがズレたりしていると、その補修はやっかいですが、通常はまずありません。
その出来形検査で気になったのは、それほどひどいものはないというもののジャンカ気味の部分です。
コンクリートの品質というのは、そのコンクリート自体はずいぶんと向上してはいますが、打込みから養生まで気を抜かずに慎重に行なわないとなかなか仕上がりのいいコンクリートにはなりません。
生コンを打込むときには、棒で突く、バイブレーターで振動を与える、木づちでたたくなどを行いたすが、このような作業を行うことで、型枠のすみずみにまでコンクリートが行きわたり、ジャンカやコールドジョイントの発生を抑え、余分な空気が追い出された、密度、強度の高いコンクリートができます。
木づちでたたいたりバイブレーターで振動を加えると、生コンは液状化して、型枠の隅々にまで行きわたりやすく、砂利だけ分離することがなくなります。
ただし振動させ過ぎると、重い砂利が下に落ち、水が上に上がるブリーディングという現象を起こしてしまいます。ブリード( bleed )とは血を流すが原義で、生コンの上に水が染み出る現象を指します。
壁を木づちでたたいている間、床上では、生コンを荒直しした後に、タンピングという突き固め、締固めの作業をします。
生コン内の不要な空気を追い出して、密度を高めているわけです。タンプ( tamp )とは突き固める、締め固めるという意味です。
なぜコンクリートを「 打つ 」というかというと、このタンピングの作業があるからです。現在のコンクリート打ちは流し込みに近く、タンピング作業をしっかりとやらない現場が多くなっています。
スランプ値を高めて柔らかくしているといえども、ダンピング作業は必要だと思います。
玄関土間のことを三和土(たたき)というのも同じ理由からだと思います。
★流し込みではなく、打ってこその、密実なコンクリートです。仕上がりが骨粗鬆症ぎみにならないためにも
先日、
コンクリート造の建物の出来形検査を行いました。
出来形検査というのは、コンクリートの打設が終了し、その階を支える型枠及び支保工がとれてから仕上工事に入るまえにコンクリートの仕上状態を見るものです。
きちんと施工されていたら、それほど、大変な検査ではなく、耐震スリットがある場合はそれらが所定の位置におさまっているか、目地の位置及び深さは正しいか、コンクリートの仕上がり状況でジャンカやひび割れはなどはないか、ある場合は所定の補修を行っているかなどです。
耐震スリットがズレたりしていると、その補修はやっかいですが、通常はまずありません。
その出来形検査で気になったのは、それほどひどいものはないというもののジャンカ気味の部分です。
コンクリートの品質というのは、そのコンクリート自体はずいぶんと向上してはいますが、打込みから養生まで気を抜かずに慎重に行なわないとなかなか仕上がりのいいコンクリートにはなりません。
生コンを打込むときには、棒で突く、バイブレーターで振動を与える、木づちでたたくなどを行いたすが、このような作業を行うことで、型枠のすみずみにまでコンクリートが行きわたり、ジャンカやコールドジョイントの発生を抑え、余分な空気が追い出された、密度、強度の高いコンクリートができます。
木づちでたたいたりバイブレーターで振動を加えると、生コンは液状化して、型枠の隅々にまで行きわたりやすく、砂利だけ分離することがなくなります。
ただし振動させ過ぎると、重い砂利が下に落ち、水が上に上がるブリーディングという現象を起こしてしまいます。ブリード( bleed )とは血を流すが原義で、生コンの上に水が染み出る現象を指します。
壁を木づちでたたいている間、床上では、生コンを荒直しした後に、タンピングという突き固め、締固めの作業をします。
生コン内の不要な空気を追い出して、密度を高めているわけです。タンプ( tamp )とは突き固める、締め固めるという意味です。
なぜコンクリートを「 打つ 」というかというと、このタンピングの作業があるからです。現在のコンクリート打ちは流し込みに近く、タンピング作業をしっかりとやらない現場が多くなっています。
スランプ値を高めて柔らかくしているといえども、ダンピング作業は必要だと思います。
玄関土間のことを三和土(たたき)というのも同じ理由からだと思います。
★流し込みではなく、打ってこその、密実なコンクリートです。仕上がりが骨粗鬆症ぎみにならないためにも
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講習会の案内「建築家 岸田日出刀と北御堂」
設備計画 空調設備について
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設備計画 空調設備について
―――――――――――――
空調設備
空調設備の種類は、大きく熱源の生成方法である熱源方式と吹き出し口のファン等の種類による空調方式によって分類されています。
熱源の方式
(1) 中央熱源方式
①空冷ヒートポンプチラーユニット
②冷凍機及びボイラー(冷温水発生機)
これらより発生する熱源の空調方式
・単一ダクト方式
・ファンコイルユニット
(2) 個別熱源方式
個別の屋外機
(空冷ヒートポンプパーケージユニット)
これらより発生する熱源の空調方式
①天井カセット型(いわゆる天カセ)
②ダクト接続型
【 空調システム 】
熱源機 ⇄ 空気 ⇄ 送風機 (吹出口)
(媒体) 【 空調機 】
★省エネルギーの一次エネルギー計算では
冷熱生成の定格消費エネルギーとファンの定格消費電力や
その他の補助機やポンプの定格消費電力等の算入が求められます。
(1) 中央熱源方式
いわゆる全館空調、1台の熱源機でまとめて冷熱するもの。
大容量で効率はよいが、個別対応が難しい
空冷ヒートポンプチラーユニットは
ヒートポンプシステムを利用したもので省エネ性に優れている。
冷凍機及びボイラー(冷温水発生機)は化石燃料等を用いる。
熱媒体は冷温水。
・単一ダクト方式
CAV(定風量)とVAV(変風量)がある。
建築計画上、注意すべき点はDS(ダクトスペース)
が必要であること。
計画段階では、
SA( Supply Air )と RA( Return Air )の分を合わせて
2m × 3m = 6 ㎡
確保しておけばよい。
もちろん、天井のフトコロ収まり、梁貫通等の検討も
必要です。
空気の循環から考慮すると
足元部分の 還気ガラリ(RA)より空気を吸い込み、
天井の吹出し口(アネモ ← 未だに使ってるか?)や
壁面等から 吹き出す(SA) ほうがよいかと思いますが、
一般的な天井高さの場合、
吸込み( RA )が天井にあることも多い。
中央熱源方式であっても空気調和機を分散することによって
階毎やゾーン毎に空調を分けることができる。
建築計画上、注意する点は
各階に空気調和機を設置する場合で、
各階に空調機械室を設ける場合はDS は不要であること。
但し、チラーユニットまでの経路にはPS(パイプスペース)
は必要。
・ファンコイルユニット( FCU )
屋上等に設置した室外機より各室へ冷温水を送り込み、
各室では FCU と呼ばれる室内機でその冷温水から冷・温風
を生成して吹き出すもの。
媒介は空気ではないので、換気機能がなく、
別途、全熱交換器もしくは外調機を用いて換気する。
外調機は、外気を温湿度調節して給気する機械で、
全館一括で換気を行う場合に採用され、室内へは給気のみで
排気は自然排気。
建築計画上は DSとして 3 ㎡程度計画しておくとよい。
(2) 個別熱源方式
個別の屋外機(個別分散熱源方式)は
各室またはゾーン毎に熱源を割り当てるもので、
個別に調整でき、省エネルギー性が高い。
①天井カセット型(空冷ヒートポンプパッケージユニット)
・天井高さは 4m 程度の空間が適切
・媒体は冷・温水なので、全熱交換器等、別途換気が必要
・大規模施設は通常、マルチ型エアコン
室外機1台に対して室内機が複数のもの
建築計画上、注意すべき点は空調用 PS
が必要であること。約 2 ㎡
最下階には不要(屋上に室外機をおく場合)
②空冷ヒートポンプパッケージユニット ダクト接続型(床置型)
・室内機で外気を取り入れるので、換気も同時に行う。
・天カセ型では対応できない、天井高の高い空間に採用
建築計画上、注意すべき点は
空調機械室の直上には SA用 DSが必要。約 4 ㎡
③空冷ヒートポンプパッケージユニット ダクト接続型
(天井隠蔽型)
・空調機自体を天井フトコロ内に隠蔽するもの
・吹出し能力は天カセ型よりも高い
・ダクト径が小さく、梁貫通が可能
・メンテ上、天井高さの高い空間には不適
以上が、主な空調設備の分類ですが、熱源を統一すれば簡単で、維持管理の面からも効率的な計画かもしれないですが、
建物の用途や利用形態によっては、異なる熱源を併用するほうが良い場合もあるので注意を要する。
設備計画 空調設備について
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空調設備
空調設備の種類は、大きく熱源の生成方法である熱源方式と吹き出し口のファン等の種類による空調方式によって分類されています。
熱源の方式
(1) 中央熱源方式
①空冷ヒートポンプチラーユニット
②冷凍機及びボイラー(冷温水発生機)
これらより発生する熱源の空調方式
・単一ダクト方式
・ファンコイルユニット
(2) 個別熱源方式
個別の屋外機
(空冷ヒートポンプパーケージユニット)
これらより発生する熱源の空調方式
①天井カセット型(いわゆる天カセ)
②ダクト接続型
【 空調システム 】
熱源機 ⇄ 空気 ⇄ 送風機 (吹出口)
(媒体) 【 空調機 】
★省エネルギーの一次エネルギー計算では
冷熱生成の定格消費エネルギーとファンの定格消費電力や
その他の補助機やポンプの定格消費電力等の算入が求められます。
(1) 中央熱源方式
いわゆる全館空調、1台の熱源機でまとめて冷熱するもの。
大容量で効率はよいが、個別対応が難しい
空冷ヒートポンプチラーユニットは
ヒートポンプシステムを利用したもので省エネ性に優れている。
冷凍機及びボイラー(冷温水発生機)は化石燃料等を用いる。
熱媒体は冷温水。
・単一ダクト方式
CAV(定風量)とVAV(変風量)がある。
建築計画上、注意すべき点はDS(ダクトスペース)
が必要であること。
計画段階では、
SA( Supply Air )と RA( Return Air )の分を合わせて
2m × 3m = 6 ㎡
確保しておけばよい。
もちろん、天井のフトコロ収まり、梁貫通等の検討も
必要です。
空気の循環から考慮すると
足元部分の 還気ガラリ(RA)より空気を吸い込み、
天井の吹出し口(アネモ ← 未だに使ってるか?)や
壁面等から 吹き出す(SA) ほうがよいかと思いますが、
一般的な天井高さの場合、
吸込み( RA )が天井にあることも多い。
中央熱源方式であっても空気調和機を分散することによって
階毎やゾーン毎に空調を分けることができる。
建築計画上、注意する点は
各階に空気調和機を設置する場合で、
各階に空調機械室を設ける場合はDS は不要であること。
但し、チラーユニットまでの経路にはPS(パイプスペース)
は必要。
・ファンコイルユニット( FCU )
屋上等に設置した室外機より各室へ冷温水を送り込み、
各室では FCU と呼ばれる室内機でその冷温水から冷・温風
を生成して吹き出すもの。
媒介は空気ではないので、換気機能がなく、
別途、全熱交換器もしくは外調機を用いて換気する。
外調機は、外気を温湿度調節して給気する機械で、
全館一括で換気を行う場合に採用され、室内へは給気のみで
排気は自然排気。
建築計画上は DSとして 3 ㎡程度計画しておくとよい。
(2) 個別熱源方式
個別の屋外機(個別分散熱源方式)は
各室またはゾーン毎に熱源を割り当てるもので、
個別に調整でき、省エネルギー性が高い。
①天井カセット型(空冷ヒートポンプパッケージユニット)
・天井高さは 4m 程度の空間が適切
・媒体は冷・温水なので、全熱交換器等、別途換気が必要
・大規模施設は通常、マルチ型エアコン
室外機1台に対して室内機が複数のもの
建築計画上、注意すべき点は空調用 PS
が必要であること。約 2 ㎡
最下階には不要(屋上に室外機をおく場合)
②空冷ヒートポンプパッケージユニット ダクト接続型(床置型)
・室内機で外気を取り入れるので、換気も同時に行う。
・天カセ型では対応できない、天井高の高い空間に採用
建築計画上、注意すべき点は
空調機械室の直上には SA用 DSが必要。約 4 ㎡
③空冷ヒートポンプパッケージユニット ダクト接続型
(天井隠蔽型)
・空調機自体を天井フトコロ内に隠蔽するもの
・吹出し能力は天カセ型よりも高い
・ダクト径が小さく、梁貫通が可能
・メンテ上、天井高さの高い空間には不適
以上が、主な空調設備の分類ですが、熱源を統一すれば簡単で、維持管理の面からも効率的な計画かもしれないですが、
建物の用途や利用形態によっては、異なる熱源を併用するほうが良い場合もあるので注意を要する。
1995. 1.17 阪神・淡路大震災 あれから23年
1995. 1.17 5時46分52秒
阪神・淡路大震災
淡路島北部沖の明石海峡を震源とするM7.3
犠牲者は6435名
そのうち、おおよそ9割が、建物の倒壊や家具などによる圧死だという統計があります。
あれから 23年…
建築をなりわいとするものとして、
慎重に考えなければならない問題だと思います。
記録写真
//////////////////////////////////
支持層の検討にご活用ください
地質図Navi
地質図Navi:
産総研地質調査総合センターから配信される
数多くの地質図データを表示するとともに、
活断層や第四紀火山などの地質情報を地質図と
合わせて表示することが可能な地質情報閲覧システム
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阪神・淡路大震災
淡路島北部沖の明石海峡を震源とするM7.3
犠牲者は6435名
そのうち、おおよそ9割が、建物の倒壊や家具などによる圧死だという統計があります。
あれから 23年…
建築をなりわいとするものとして、
慎重に考えなければならない問題だと思います。
記録写真
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支持層の検討にご活用ください
地質図Navi
地質図Navi:
産総研地質調査総合センターから配信される
数多くの地質図データを表示するとともに、
活断層や第四紀火山などの地質情報を地質図と
合わせて表示することが可能な地質情報閲覧システム
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★試験頻出用語 都市計画・住宅地計画
★試験頻出用語 都市計画・住宅地計画
★★ 試験に出る 頻出用語 都市計画・住宅地計画 ★★
【 ら行 】
【 ラドバーン方式 】
住宅地において、人と車を平面的に分離する歩車分離方式をいう。
【 ケビン・リンチ 】
外界としての都市に注目し、「都市のイメージ」を著し、都市を総体としてつかみ、視覚的構造として捉えようとした。アメリカ、シカゴ。(1918-1984)
タリアセンでフランクロイド・ライトのもとで働いている。
「都市のイメージ(The Image of the City)」
ボストン、ロザンゼルスなどで、街頭を歩く、一般人を対象に都市のイメージ調査に関するアンケートを行い、それを元に都市をイメージする構成要素として、「パス(道)」、「ディストリクト(地域)」、「ノード(結節点)」、「ランドマーク(目印)」の5つを挙げた。また、ボストン中心部を通る高速道路(高架)が街を分断し、住民の空間認識を妨げていると論じた。
日本語訳本:丹下健三、富田玲子
【 レッチワース 】(Letchworth)
エベネザー・ハワード(1850-1928年)が設立した第一田園都市株式会社により建設された最初の田園都市。着工:1903年。ロンドン郊外。
日本での例)

田園調布の都市計画
【 レム・コールハース 】
錯乱のニューヨーク(Delirious New York)」において、 主としてマンハッタンの超高層建築物がつくりだした 過密の文化に着目し、「 マンハッタニズム」と定義した。
【 ら行 】
【 ラドバーン方式 】
住宅地において、人と車を平面的に分離する歩車分離方式をいう。
【 ケビン・リンチ 】
外界としての都市に注目し、「都市のイメージ」を著し、都市を総体としてつかみ、視覚的構造として捉えようとした。アメリカ、シカゴ。(1918-1984)
タリアセンでフランクロイド・ライトのもとで働いている。
「都市のイメージ(The Image of the City)」
ボストン、ロザンゼルスなどで、街頭を歩く、一般人を対象に都市のイメージ調査に関するアンケートを行い、それを元に都市をイメージする構成要素として、「パス(道)」、「ディストリクト(地域)」、「ノード(結節点)」、「ランドマーク(目印)」の5つを挙げた。また、ボストン中心部を通る高速道路(高架)が街を分断し、住民の空間認識を妨げていると論じた。
日本語訳本:丹下健三、富田玲子
【 レッチワース 】(Letchworth)
エベネザー・ハワード(1850-1928年)が設立した第一田園都市株式会社により建設された最初の田園都市。着工:1903年。ロンドン郊外。
日本での例)

田園調布の都市計画
【 レム・コールハース 】
錯乱のニューヨーク(Delirious New York)」において、 主としてマンハッタンの超高層建築物がつくりだした 過密の文化に着目し、「 マンハッタニズム」と定義した。