構コメ 鉄骨構造
構造コメンタール
2.3 鉄骨構造
重要ポイント
1.鋼材の規格
例)SN400A
N:鋼材の種別
400:引張強さ(下限値)
A:A - SS材と同等
B - 降伏点(比)の上限を規定、溶接性 良
C - Bの性能に加え、板厚方向の引張力に対する性能を確保
( C材といわれる場合がある)
2.許容応力度
①基準強度 F
F 値は「降伏点」または「引張強さの70%」
の小さい方の値。
②圧縮、引張、曲げの長期許容応力度
F / 1.5
せん断の曲げの長期許容応力度
F /( 1.5√ 3 )
③短期許容応力度
長期許容応力度の 1.5倍
④圧縮材は座屈があるので、
細長比より許容応力度を低減する。
⑤曲げ材は横座屈があるので、
圧縮フランジの横補剛間隔、
曲げモーメントの分布のなどにより
許容応力度を低減。
⑥10,000回を超える繰り返し応力を受ける場合は、
疲労の検討を行う。
3.高力ボルト接合
①高力ボルト摩擦接合と高力ボルト引張接合がある。
②摩擦接合の耐力は
摩擦面の数、すべり係数、設計ボルト張力に比例する。
(二面摩擦は一面摩擦の2倍の耐力)
③F11Tの高力ボルトは締め付け後、
かなりの時間を経過した後に、
突然に張力が抜けてしまう遅れ破壊が起こる可能性がある。
4.完全溶込み溶接(フルペネ Full Penetration)
①母材に開先を作り、板厚全てを溶着金属で埋めて接合する。

②用 語
ルート間隔:開先の底部の間隔。ルートギャップ
過小の場合、溶込み不良が発生しやすくなる。
開先角度:開先のなす角度。ベベル角度とは異なる。
溶接部位を組み立ててからでないと測定できない。
エンドタブ:溶接の始端部と終端部に取り付ける補助板
欠陥部がでやすいため捨て板の目的で用いられる。
5.すみ肉溶接
①せん断力で応力伝達する。

②用語
脚長、サイズ、のど厚、有効長さ
6.部分溶込み溶接(パーシャル Partioal Penetration)
片面溶接でルート部に曲げまたは荷重の偏心によって生じる
付加曲げによる引張応力が作用する場合には使用できない。
これ以外の場合であれば、部分溶込み溶接を使用でき、
母材と同じ許容応力度とすることができる。


7.併用継手
高力ボルトと溶接を併用した場合は、
高力ボルトを先に施工した場合に限り、
両者の耐力を加算できる。
8.圧縮材
①細長比 λ= lk/i により許容応力度を低減する。
②柱材の細長比は 200以下とする。
9.曲げ材
①横座屈を防止するために横補剛材を入れる。
横補剛間隔が小さい程、許容応力度は大きくなる。
②箱形断面部材は横座屈が生じないので、
長期許容曲げ応力度は F / 1.5 となる。
③はりのたわみはスパンの 1/300以下、
片持ばりの場合は 1/250以下とする。
10.保有耐力横補剛
①鋼材に十分に塑性変形が生じるまで
横座屈しないように横補剛すること
②高強度の鋼材を使用する場合の方が、
横補剛間隔が小さくなる。
(補剛箇所数が多くなる。)
11,幅厚比
①断面の平板部分の局部座屈を防止するために、
幅厚比(幅/厚)の制限がある。
②高強度の鋼材の方が幅厚比の制限が厳しい。
(幅厚比の制限値が小さい。)
12.保有耐力接合
部材が必要に応じた塑性変形を生じるまで
接合部が破断しないように接合部の破断耐力を、
保有水平耐力時の応力以上とする。
400N/mm2クラスの鋼材は 1.3倍以上
490N/mm2クラスの鋼材は 1.2倍以上
の耐力を持たせる。
13.筋かい
①筋かい材の降伏後に
塑性変形して地震のエネルギーを吸収できるように
次式を満たすようにする。
接合部の破断耐力 ≧ 筋かいの降伏耐力の1.2倍
②筋かいを設けると変形能力が下がり、
脆性破壊を招く恐れがあるので、
水平力を割増して強度を補う。
③山形鋼、溝形鋼
をガセットプレートの片側だけに接合した場合、
突出脚の 1/2の面積を無効と考えて断面算定を行う。
(高力ボルトの本数により、無効部分を決める方法もある。)
14.柱 脚
①露出柱脚
ピンまたは剛接とみなせる場合以外は、半剛接
②根巻き柱脚
根巻き高さは鉄骨径の 2.5倍以上
③埋込み柱脚
埋込み深さは鉄骨柱径の 2.0倍以上
2.3 鉄骨構造
重要ポイント
1.鋼材の規格
例)SN400A
N:鋼材の種別
400:引張強さ(下限値)
A:A - SS材と同等
B - 降伏点(比)の上限を規定、溶接性 良
C - Bの性能に加え、板厚方向の引張力に対する性能を確保
( C材といわれる場合がある)
2.許容応力度
①基準強度 F
F 値は「降伏点」または「引張強さの70%」
の小さい方の値。
②圧縮、引張、曲げの長期許容応力度
F / 1.5
せん断の曲げの長期許容応力度
F /( 1.5√ 3 )
③短期許容応力度
長期許容応力度の 1.5倍
④圧縮材は座屈があるので、
細長比より許容応力度を低減する。
⑤曲げ材は横座屈があるので、
圧縮フランジの横補剛間隔、
曲げモーメントの分布のなどにより
許容応力度を低減。
⑥10,000回を超える繰り返し応力を受ける場合は、
疲労の検討を行う。
3.高力ボルト接合
①高力ボルト摩擦接合と高力ボルト引張接合がある。
②摩擦接合の耐力は
摩擦面の数、すべり係数、設計ボルト張力に比例する。
(二面摩擦は一面摩擦の2倍の耐力)
③F11Tの高力ボルトは締め付け後、
かなりの時間を経過した後に、
突然に張力が抜けてしまう遅れ破壊が起こる可能性がある。
4.完全溶込み溶接(フルペネ Full Penetration)
①母材に開先を作り、板厚全てを溶着金属で埋めて接合する。

②用 語
ルート間隔:開先の底部の間隔。ルートギャップ
過小の場合、溶込み不良が発生しやすくなる。
開先角度:開先のなす角度。ベベル角度とは異なる。
溶接部位を組み立ててからでないと測定できない。
エンドタブ:溶接の始端部と終端部に取り付ける補助板
欠陥部がでやすいため捨て板の目的で用いられる。
5.すみ肉溶接
①せん断力で応力伝達する。

②用語
脚長、サイズ、のど厚、有効長さ
6.部分溶込み溶接(パーシャル Partioal Penetration)
片面溶接でルート部に曲げまたは荷重の偏心によって生じる
付加曲げによる引張応力が作用する場合には使用できない。
これ以外の場合であれば、部分溶込み溶接を使用でき、
母材と同じ許容応力度とすることができる。


7.併用継手
高力ボルトと溶接を併用した場合は、
高力ボルトを先に施工した場合に限り、
両者の耐力を加算できる。
8.圧縮材
①細長比 λ= lk/i により許容応力度を低減する。
②柱材の細長比は 200以下とする。
9.曲げ材
①横座屈を防止するために横補剛材を入れる。
横補剛間隔が小さい程、許容応力度は大きくなる。
②箱形断面部材は横座屈が生じないので、
長期許容曲げ応力度は F / 1.5 となる。
③はりのたわみはスパンの 1/300以下、
片持ばりの場合は 1/250以下とする。
10.保有耐力横補剛
①鋼材に十分に塑性変形が生じるまで
横座屈しないように横補剛すること
②高強度の鋼材を使用する場合の方が、
横補剛間隔が小さくなる。
(補剛箇所数が多くなる。)
11,幅厚比
①断面の平板部分の局部座屈を防止するために、
幅厚比(幅/厚)の制限がある。
②高強度の鋼材の方が幅厚比の制限が厳しい。
(幅厚比の制限値が小さい。)
12.保有耐力接合
部材が必要に応じた塑性変形を生じるまで
接合部が破断しないように接合部の破断耐力を、
保有水平耐力時の応力以上とする。
400N/mm2クラスの鋼材は 1.3倍以上
490N/mm2クラスの鋼材は 1.2倍以上
の耐力を持たせる。
13.筋かい
①筋かい材の降伏後に
塑性変形して地震のエネルギーを吸収できるように
次式を満たすようにする。
接合部の破断耐力 ≧ 筋かいの降伏耐力の1.2倍
②筋かいを設けると変形能力が下がり、
脆性破壊を招く恐れがあるので、
水平力を割増して強度を補う。
③山形鋼、溝形鋼
をガセットプレートの片側だけに接合した場合、
突出脚の 1/2の面積を無効と考えて断面算定を行う。
(高力ボルトの本数により、無効部分を決める方法もある。)
14.柱 脚
①露出柱脚
ピンまたは剛接とみなせる場合以外は、半剛接
②根巻き柱脚
根巻き高さは鉄骨径の 2.5倍以上
③埋込み柱脚
埋込み深さは鉄骨柱径の 2.0倍以上
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