設コメ 空気調和設備
建築設備 コメンタール
§2.建築設備
2.1 空気調和設備
1°.空気調和の目的と空気調和設備の基本構成
①空気調和の目的
温度、湿度、気流、空気質を適切に調整すること。
②空気調和設備の構成
一般に、空気調和機設備、冷温熱源設備と
それらを制御する自動制御装置の他、
機器をつなぐ配管設備、ダクト設備・吹出口・吸込口
などで構成されている。
2°.室内の温度制御と配管流量の制御
1)室内の温度制御
①CAV(Constant Air Volume:定風量)方式:
室内の吹き出す風量は一定で、
吹き出す空気の温度を変えることによって
室温を調節する方式。
②VAV(Variable Air Volume:変風量)方式:
室内に吹出す空気の温度を一定に保ち、
吹出す風量を変えることによって
室温を調節する方式。
2)配管流量の制御
①三方弁制御:
負荷が減少すると空調機のコイルへの流量をバイパスさせ、
系統全体の流量を一定に保つ方式。
(CWV:定流量方式)
循環ポンプは負荷の変動に関係なく、
定速で運転する。
②二方弁制御:
負荷の変動に対応して配管系の循環水量を変化させる方式。
(VWV:変流量方式)
ポンプの消費電力が節約できる利点がある。
3°.冷凍機(チラー)
1)圧縮式冷凍機
①冷凍サイクル:
圧縮 → 凝縮 → 膨張 → 蒸発
②圧縮機を使用するため、吸収式冷凍機に比べて、
振動・騒音が大きく、電力消費量が多い。
冷却塔は小さい。
2)吸収式冷凍機
①冷凍サイクル:
蒸発 → 吸収 → 分離(再生) → 凝縮
②圧縮機がなく、化学作用によるため、
騒音、振動が比較的小さく、電力消費量が少ない。
③冷却水は、凝縮器の他に吸収器の冷却にも必要とするため、
圧縮式よりも冷却水量が多くなる。
④二重効用形は、一重効用形よりも
加熱量は減少することができる。
冷却塔も小さくできるが、
圧縮式などの電気冷凍機と比較すると大きい。
4°.ヒートポンプ
①屋内~屋外の冷媒の流れを逆にすることで、
ヒートポンプ1台で冷暖房が可能となる。
②空気熱源ヒートポンプの能力は
外気温度 7℃としているため、
寒冷地では能力が不足する。
③ヒートポンプは、適温の熱源があれば、
1/2~1/5のエネルギーで暖房できるので、効率が良い。
5°.蓄熱式空調システム
1)氷蓄熱の長所
①氷蓄熱の最大の長所は、蓄熱槽容量を小さくできること。
都市部のビルのように、
空調機械室面積が限られている場合に適している。
②空調機へ流れる冷水が低温であるため、
水蓄熱方式と比較して配管系の流量が少なくてすみ、
ポンプ動力を削減できる。
2)氷蓄熱の短所
①製氷運転を行うため、
必然的に冷凍機の運転温度も低くなるので、
水蓄熱方式と比較して冷凍効率が低下する。
②他の方式と比較すると、建設費がやや割高
6°.主な空調方式
①単一ダクト方式
建物全体あるいはゾーンごとに1台の空調機を設け、
その空調機から冷風または温風を1本の主ダクトより
分岐して各室に給気する最も基本的な方式。
②ファンコイルユニット方式
冷温水発生機等から冷温水の供給を受け、
各室に設けたファンとコイル、およびフィルターを
内臓したファンコイルユニットで空調を行う方式。
ホテルの客室、病院の病室および大規模ビルの
ペリメーター(外周部)ゾーンに適している。
③パッケージユニット方式
冷凍機、ファン、エアフィルター、加湿器、自動制御機器
を一つのケーシングに組み込んだパッケージユニット
を設置して空調を行う方式。
④床吹き出し空調方式
主に、フリーアクセスフロアを利用した床下チャンバー方式
で給気する方式。床吹出口の移設・増設に対応しやすく、
居住域の換気効率を高めることができ、
省エネルギー効果も期待できる。
⑤外気冷房方式
中間期(春秋)や冬でも冷房が必要な場合、
低温の外気をそのまま利用して冷房を行う方式。
内部発熱が大きく、必要換気量が小さい建築物ほど
省エネルギー効果が大きい。
7°.放射床暖房方式
①頭寒足熱で、上下の温度差がつきにくく暖房感は良好。
②予熱時間が長いので、一時的に使用する室には適さない。
③床暖房の床表面温度は 29℃以下とする。
【 その他 重要用語 】
●COP(成績係数: Coefficient of Performance )
冷凍機やヒートポンプの効率を示す指標。
COPが高いほど効率がよい。
●ADPI(空気拡散性能指標:Air Diffusion Performance Index)
居住域の放射を含まないドラフト感に対する指標。
ADPIが大きいほど気流分布が良好。
● IPF(氷充填率:Ice Packing Factor)
氷蓄熱方式における蓄熱槽中に氷が占める体積比率。
§2.建築設備
2.1 空気調和設備
1°.空気調和の目的と空気調和設備の基本構成
①空気調和の目的
温度、湿度、気流、空気質を適切に調整すること。
②空気調和設備の構成
一般に、空気調和機設備、冷温熱源設備と
それらを制御する自動制御装置の他、
機器をつなぐ配管設備、ダクト設備・吹出口・吸込口
などで構成されている。
2°.室内の温度制御と配管流量の制御
1)室内の温度制御
①CAV(Constant Air Volume:定風量)方式:
室内の吹き出す風量は一定で、
吹き出す空気の温度を変えることによって
室温を調節する方式。
②VAV(Variable Air Volume:変風量)方式:
室内に吹出す空気の温度を一定に保ち、
吹出す風量を変えることによって
室温を調節する方式。
2)配管流量の制御
①三方弁制御:
負荷が減少すると空調機のコイルへの流量をバイパスさせ、
系統全体の流量を一定に保つ方式。
(CWV:定流量方式)
循環ポンプは負荷の変動に関係なく、
定速で運転する。
②二方弁制御:
負荷の変動に対応して配管系の循環水量を変化させる方式。
(VWV:変流量方式)
ポンプの消費電力が節約できる利点がある。
3°.冷凍機(チラー)
1)圧縮式冷凍機
①冷凍サイクル:
圧縮 → 凝縮 → 膨張 → 蒸発
②圧縮機を使用するため、吸収式冷凍機に比べて、
振動・騒音が大きく、電力消費量が多い。
冷却塔は小さい。
2)吸収式冷凍機
①冷凍サイクル:
蒸発 → 吸収 → 分離(再生) → 凝縮
②圧縮機がなく、化学作用によるため、
騒音、振動が比較的小さく、電力消費量が少ない。
③冷却水は、凝縮器の他に吸収器の冷却にも必要とするため、
圧縮式よりも冷却水量が多くなる。
④二重効用形は、一重効用形よりも
加熱量は減少することができる。
冷却塔も小さくできるが、
圧縮式などの電気冷凍機と比較すると大きい。
4°.ヒートポンプ
①屋内~屋外の冷媒の流れを逆にすることで、
ヒートポンプ1台で冷暖房が可能となる。
②空気熱源ヒートポンプの能力は
外気温度 7℃としているため、
寒冷地では能力が不足する。
③ヒートポンプは、適温の熱源があれば、
1/2~1/5のエネルギーで暖房できるので、効率が良い。
5°.蓄熱式空調システム
1)氷蓄熱の長所
①氷蓄熱の最大の長所は、蓄熱槽容量を小さくできること。
都市部のビルのように、
空調機械室面積が限られている場合に適している。
②空調機へ流れる冷水が低温であるため、
水蓄熱方式と比較して配管系の流量が少なくてすみ、
ポンプ動力を削減できる。
2)氷蓄熱の短所
①製氷運転を行うため、
必然的に冷凍機の運転温度も低くなるので、
水蓄熱方式と比較して冷凍効率が低下する。
②他の方式と比較すると、建設費がやや割高
6°.主な空調方式
①単一ダクト方式
建物全体あるいはゾーンごとに1台の空調機を設け、
その空調機から冷風または温風を1本の主ダクトより
分岐して各室に給気する最も基本的な方式。
②ファンコイルユニット方式
冷温水発生機等から冷温水の供給を受け、
各室に設けたファンとコイル、およびフィルターを
内臓したファンコイルユニットで空調を行う方式。
ホテルの客室、病院の病室および大規模ビルの
ペリメーター(外周部)ゾーンに適している。
③パッケージユニット方式
冷凍機、ファン、エアフィルター、加湿器、自動制御機器
を一つのケーシングに組み込んだパッケージユニット
を設置して空調を行う方式。
④床吹き出し空調方式
主に、フリーアクセスフロアを利用した床下チャンバー方式
で給気する方式。床吹出口の移設・増設に対応しやすく、
居住域の換気効率を高めることができ、
省エネルギー効果も期待できる。
⑤外気冷房方式
中間期(春秋)や冬でも冷房が必要な場合、
低温の外気をそのまま利用して冷房を行う方式。
内部発熱が大きく、必要換気量が小さい建築物ほど
省エネルギー効果が大きい。
7°.放射床暖房方式
①頭寒足熱で、上下の温度差がつきにくく暖房感は良好。
②予熱時間が長いので、一時的に使用する室には適さない。
③床暖房の床表面温度は 29℃以下とする。
【 その他 重要用語 】
●COP(成績係数: Coefficient of Performance )
冷凍機やヒートポンプの効率を示す指標。
COPが高いほど効率がよい。
●ADPI(空気拡散性能指標:Air Diffusion Performance Index)
居住域の放射を含まないドラフト感に対する指標。
ADPIが大きいほど気流分布が良好。
● IPF(氷充填率:Ice Packing Factor)
氷蓄熱方式における蓄熱槽中に氷が占める体積比率。
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