二級建築士 平成25年度 学科II(建築法規)解答解説①
平成25年度 学科II(建築法規) ー1/5
[ No.1 ]
用語に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1.構造上重要でない間仕切壁は、「主要構造部」ではない。
2.風圧又は地震その他の震動若しくは衝撃を支える火打材は、「構造耐力上主要な部分」である。
3.避難上有効なバルコニーがある階は、「避難階」である。
4.床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの 1/2のものは、「地階」である。
5.「準遮炎性能」とは、建築物の周囲において発生する通常の火災時における火炎を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能をいう。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
法第2条第5号により、正しい。
2.◯
令第1条第3号により、正しい。
3.×
避難階とは令第13条第1号の規定で、直接地上へ通ずる出入り口のある階をいう。誤り。
4.◯
令第1条第2号により、正しい。
5.◯
法第64条かっこ書きにより、正しい。
[ No.2 ]
次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1.特定行政庁は、建築基準法令の規定に違反した建築物又は建築物の敷地については、 当該建築物に関する工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)に対して、当該工事 の施工の停止を命じることができる。
2.建築物の除却の工事を施工する者は、延べ面積 100m2の建築物について、当該除却の工事に係る部分の床面積の合計が 10m2である場合、その旨を都道府県知事に届け出る必要はない。
3.建築主事又は指定確認検査機関は、防火地域又は準防火地域内における一戸建住宅の新築に係る確認をする場合においては、当該確認に係る建築物の工事施工地又は 所在地を管轄する消防長(消防本部を置かない市町村にあっては、市町村長)又は消 防署長の同意を得なければならない。
4.指定確認検査機関は、建築物に関する完了検査の引受けを工事完了日の前に行ったときは、当該検査の引受けを行った日から7日以内に、当該検査をしなければならない。
5.特定行政庁は、建築物に関する工事の工程のうち当該工事の施工中に建築主事又は指定確認検査機関が建築基準関係規定に適合しているかどうかを検査することが必要なものを、特定工程として指定することができる。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
法第9条第1項により、正しい。
2.◯
法第15条第1項により、正しい。
3.◯
法第93条第1項により、正しい。
4.×
法第7条の2題4項により、誤り。完了検査の引き受けは、工事完了後である。
5.◯
法第7条の3第1項第2号、規則第4条の11第4号により、正しい。
[ No.3 ]
次の行為のうち、建築基準法上、全国どの場所においても、確認済証の交付を受ける必要があるものはどれか。
1.鉄骨造平家建、延べ面積 100m2の遊技場の大規模の模様替
2.鉄骨造平家建、延べ面積 300m2のゴルフ練習場からバッティング練習場への用途の変更
3.鉄骨造2階建、延べ面積 300m2の工場における鉄骨造、床面積 10m2の倉庫の増築
4.鉄筋コンクリート造平家建、延べ面積 100m2の自動車修理工場の新築
5.鉄筋コンクリート造2階建、延べ面積 90m2の一戸建住宅の大規模の修繕
答え
5
全国どの場所においても確認済証が必要なのは、法第6条第1項第1号から第3号に該当する建築物の建築・大規模の修繕・大規模の模様替および法第6条が準用される建築物の用途変更(法第87条)、建築設備の設置(法第87条の4)、工作物の築造(法第88条)の場合である。なお、令和元年6月の改正法施行で、確認済証の交付を要する特殊建築物は、法第6条第1項第1号に規定する、200m2を超えるものが対象となった。
[ 解答解説 ]
1.×
法第6条第1項第1号から第3号に該当しないので、確認済証は必要としない。
2.×
法第87条第1項により法第6条が準用されるが、本問は令第137条の17第7号で類似の用途となるため、確認済証は必要としない。
3.×
法第6条第1項第1号から第3号の建築物になるが、増築に係る部分が10m2なので、第2項で防火地域および準防火地域以外であれば、確認済証は必要としない。なお、防火地域および準防火地域の指定は限定されている。
4.×
法第6条第1項第1号から第3号に該当しないので、確認済証は必要としない。
5.◯
法第6条第1項第3号に該当するので、確認済証の交付を受ける必要がある。
[ No.4 ]
張り間方向に図のような断面(けた行方向には同一とする。)を有する A~C の各室の天井の高さについて、建築基準法の規定への適合・不適合の組合せとして、正しいものは、次のうちどれか。


答え
4
[ 解答解説 ]
居室の天井の高さの異なる部分がある場合、令第21条第2項により平均の高さによる。平均の高さは、室容積を室面積で除して求める。けた行方向は同一なので以下の計算となる。
A 喫茶店の喫茶室
( 2.5 × 2.5 ×π ×1/2 )/5 =1.96 (m)
喫茶室は居室なので、令第21条第1項により 2.1m以上でなければならず、不適合
B 保育所の保育室
{( 6 × 2 ) + ( 2 × 3 )}/( 6 + 2 ) = 2.25 (m)
保育室は居室である。適合
C 無人の保管用倉庫
{( 5 × 0.5 ) + ( 5 × 3 × 1/2 )}/5 = 2 (m)
倉庫は居室ではないので令第21条の適用はない。故に適合。
以上より、正しい組み合わせは 4 となる。
[ No.5 ]
木造2階建、延べ面積 140m2の一戸建住宅の計画に関する次の記述のうち、 建築基準法に適合しないものはどれか。ただし、国土交通大臣が定めた構造方法及び国土交通大臣の認定は考慮しないものとし、火を使用する器具は、「密閉式燃焼器具等又は煙突を設けた器具」ではないものとする。
1.発熱量の合計が 7kWの火を使用する器具のみを設けた洗面所には、換気上有効な開口部を設けたので、その他の換気設備を設けなかった。
2.1階の居室の床下をコンクリートで覆ったので、床の直下の地面からその床の上面までの高さを 20cmとした。
3.下水道法第2条第八号に規定する処理区域内であったので、便所については、水洗便所とし、その汚水管を下水道法第2条第三号に規定する公共下水道に連結した。
4.階段に代わる高さ 1.1mの傾斜路に、幅 10cmの手すりを設けたので、当該傾斜路の幅の算定に当たっては、手すりの幅はないものとみなした。
5.階段(直階段)のけあげの寸法を 23cm、踏面の寸法を 15cmとした。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
令第20条の3第1項第3号により、発熱量の合計が 6kW以下の器具が対象のため、適合しない。
2.◯
令第22条ただし書きにより、適合する。
3.◯
法第31条第1項により、適合する。
4.◯
傾斜路については令第26条第2項により、階段幅の規定が適用になるので令第23条第3項に適合している。
5.◯
令第23条第1項本文ただし書きにより、適合する。