二級建築士 平成25年度 学科II(建築法規)解答解説③
平成25年度 学科II(建築法規) ー3/5
[ No.11 ]
建築物の防火区画、防火壁、間仕切壁等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、耐火性能検証法、防火区画検証法、階避難安全検証法、全館避難安全検証法及び国土交通大臣の認定による安全性の確認は行わないものとする。
1.寄宿舎の用途に供する部分の防火上主要な間仕切壁は、準耐火構造とし、小屋裏又は天井裏に達せしめなければならない。
2 . 2階建の建築物( 各階の床面積が 100m2)で、 1階が物品販売業を営む店舗 、 2 階が事務所であるものは、物品販売業を営む店舗の部分とその他の部分とを防火区画 しなければならない。
3.延べ面積が 1,200m2の旅館で、耐火建築物及び準耐火建築物以外のものは、床面積の合計 1,000m2以内ごとに防火上有効な構造の防火壁によって有効に区画しなければならない。
4.建築面積が 400m2の物品販売業を営む店舗の小屋組が木造である場合においては、 原則として、けた行間隔 12m以内ごとに小屋裏に準耐火構造の隔壁を設けなければならない。
5.主要構造部を準耐火構造とした3階建の事務所において、3階部分に事務室を有する場合は、原則として、1階から3階に通ずる階段の部分とその他の部分とを防火区画しなければならない。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
令第114条第2項により、正しい。
2.×
令第112条第12項、第13項に該当しないので、誤り。
3.◯
法第26条により、正しい。
4.◯
令第114条第3項により、正しい。
5.◯
令第112条第9項により、正しい。
[ No.12 ]
次の2階建の建築物のうち、建築基準法上、新築することができるものはどれか。ただし、特定行政庁の許可は受けないものとし、用途地域以外の地域、地区等は考慮しないものとする。
1.第一種低層住居専用地域内の延べ面積 700m2の老人福祉センター
2.第二種低層住居専用地域内の延べ面積 200m2の喫茶店
3.第一種中高層住居専用地域内の延べ面積 500m2の旅館
4.第一種住居地域内の延べ面積 100m2の倉庫業を営む倉庫
5.近隣商業地域内の延べ面積 500m2の日刊新聞の印刷所
答え
5
[ 解答解説 ]
1.×
法第48条第1項、法別表第2(い)項第9号、令第130条の4第2号で延べ面積が 600m2を超えており、新築してはならない。
2.×
同条第2項、法別表第2(ろ)項第2号、令第130条の5の2第1号で喫茶店は新築できるが、その用途に供する部分が 150m2を超えており、新築してはならない。
3.×
同条第3項、法別表第2(は)項に該当しないので、新築してはならない。
4.×
同条第5項、法別表第2(ほ)項第1号((へ)項第5号)により、新築してはならない。
5.◯
同条第8項、法別表第2(ち)項第1号((り)項第2号かっこ書き)により、新築することができる。
[ No.13 ]
建築基準法上、用途地域の種類と関係なく定められているものは、次のうちどれか。
1.工作物への準用における、自動車車庫の用途に供する工作物の築造面積
2.学校の建築の制限
3.建築物の高さの限度(絶対高さ)
4.建築物の屋根を造り、又はふく材料の制限
5.居室の窓(開口部)の採光に有効な部分の面積の算定方法
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
法第88条第2項、令第138条第3項第2号により、用途地域と関係がある。
2.◯
法第48条第1項から第3項、第11項、第12項により、用途地域と関係がある。
3.◯
法第55条により、用途地域と関係がある。
4.×
法第22条、第63条により防火の見地から定められるものなので、用途地域の種類と関係はない。
5.◯
令第20条第2項により、用途地域と関係がある。
[ No.14 ]
都市計画区域内のイ~ニの敷地について、建築基準法上、敷地と道路との関係で、建築物を建築することができないもののみの組合せは、次のうちどれか。ただし、 特定行政庁の許可は受けないものとする。
イ.幅員 12mの市道沿いの幅 2mの水路にのみ 4m接している敷地
ロ.建築基準法第3章の規定が適用されるに至った際現に建築物が建ち並んでいる幅員4m未満の私道で、特定行政庁の指定したものにのみ3m接している敷地
ハ.建築基準法第3章の規定が適用された後に築造された幅員 4mの農道にのみ 2m接している敷地
ニ.非常災害が発生した区域(防火地域以外の区域とする。)の内において、被災者が自ら使用する目的で、その災害が発生した日から1月以内にその工事に着手する延べ面積が 30m2の応急仮設住宅の建築のため、幅員6mの村道にのみ 1.8m接している敷地
1.イとロ
2.イとハ
3.ロとハ
4.ロとニ
5.ハとニ
答え
2
[ 解答解説 ]
イ.×
法第43条第1項に該当しないので、建築できない。
ロ.◯
法第42条第2項に該当しないので、建築できる。
ハ.×
農道は法第42条第1項各号の道路に該当しないので、建築できない。
ニ.◯
法第85条第1項に該当しないので、建築基準法が適用がない。したがって、建築できる。
以上のことから、建築することのできないものの組合せは2となる。
[ No.15 ]
図のような敷地において、建築基準法上、新築することができる建築物の延べ面積の最高限度は、次のうちどれか。ただし、図に記載されているものを除き、地域、 地区等及び特定行政庁の指定等はないものとし、図に示す範囲に高低差はないものとする。 また、特定道路の影響はないものとし、建築物には、共同住宅、自動車車庫等の用途に供する部分及び地階はないものとする。

1. 420m2
2. 510m2
3. 540m2
4. 570m2
5. 600m2
答え
2
[ 解答解説 ]
設問の敷地が2の用途地域にわたっているので、法第52条第7項が適用される。そして、容積率の算定に当たっては、同条第1項と第2項の数値のうち小さい値が適用となることに注意する。
第二種住居地域:30/10 > ( 6m × 4 )/10
第一種中高層住居専用地域:
15/10 < (6m × 4 )/10
また、敷地面積については令第2条第1項第1号により、法第42条第2項による道の中心線から2mまでは敷地面積に算入しない。
したがって、求める延べ面積の最高限度は2つの用途地域ごとの延べ面積の和になる。
第二種住居地域:
( 5 × 20 ) × 24/10 =240
第一種中高層住居専用地域:
{( 10 – 1 ) × 20 } × 15/10 = 270
ゆえに、延べ面積の最高限度は
240 + 270 = 510 [ m2 ]
となり、2が正解。