フランク・ロイド・ライトの有機的建築

ヨドコウ迎賓館 フランク・ロイド・ライト
古建築探訪として
兵庫県芦屋市にある、
日本で唯一のこっている
フランク・ロイド・ライト設計の住宅
重要文化財
旧山邑邸(現在、ヨドコウ迎賓館)の見学会を
以前に行ったときのことです。
建築のウンチクを知りたい方が結構いたようで…
その時にまとめたウンチクです。

●フランク・ロイド・ライト
(Frank Lloyd Wright1867年6月8日 - 1959年4月9日)
彼が一貫として標榜する
「有機的建築( Organic Architecture )」
この「有機的建築」、一言でいえば、
昔のヨドコウ迎賓館の栞によれば、
「より豊かな人間性の保証に寄与する建築」
とあります。
これは、わかりに難い..

また、ライトの「フランク・ロイド・ライト―建築家への手紙
「私にとって建築とは外面的な形ではなく、
有機的に成長するものの内面的な規律である。」
という表現があります。
「有機的」が、ますますわからなくなります。
オーガニックデザインといって、
北欧デザインと結びつけて
北欧オーガニックなどとされてみたり、
流線型や、植物のイメージと結びつけられたりしてますが、
実のところ、彼の言う有機的(Organic)
とは形態のことを言っているのではないようです。
成長していく?生体の仕組みのような意味合いで
用いてられているようです。
どちらかと言うと、黒川紀章らが唱えていた
「メタボリズム(新陳代謝)」が近いものがあるようにも思えます。
しかし、
フランク・ロイド・ライトの意味するところの
有機とは、彼自身、その真髄を教えることは不可能だ
と言っていたようで、その真相は??です。
ライトの有機の思想は次の書籍で垣間見ることができます。
「フランク・ロイド・ライトの呪術空間 有機建築の魔法の謎
草森紳一著
第1章 有機建築の魔法
岡倉天心とライトと老子と
もう一度、天心とライトと老子と
ソーローの森、ライトの森
大霊的建築
第2章 神秘思想とライトの予言
呪術の目、呪物としての室外彫刻
抽象のオカルト ー モンドリアンとライト
魔術師グルジェフとの出会い
ゴシック精神のリバイバル
第3章 光と影の呪術空間
壊れた魔法円
薄暗がりの窓ガラス
ロマンチシズムの洞窟(グロテスク)
ニティ(単一性)の神秘
その他、参考文献)
・フランク・ロイド・ライトの建築遺産
ライト生涯のデザインの変遷がくわしく述べられています。
1.伝統様式を手中にして(1889-1900)
2.風土になじむ草原住宅(1901-1905)
3.海外体験から草原様式を超えて(1906-1910)
4.異国趣味への憧れ(1911-1929)
5.国際様式を超えて(1930-1946)
6.多様な世界に飛び込んで(1947-1950)
7.国民住宅を通して民主主義をめざす(1951-1954)
8.華やかで豊かな精神世界の実現(1955-1959)

タリアセン・ウエスト
突き詰めていくと、どんどん深みにはまっていくので
注意が必要です☆
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